器によって味わいも変わる!?グラスの種類と正しい酒器の選び方を解説!

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あらゆる飲食業態において必須である、グラスやジョッキなどの酒器。大きさやデザインも様々で、飲み物を提供する際には必須のアイテム。これから飲食店を開業する方の中には、「あのグラスの呼び方が分からない」「どんなグラスを選べばいいかわからない」という方もいるのでは無いでしょうか。今回はさまざまなグラスの種類やそれぞれの特徴を解説いたします。

グラスで味わいが変わる!?

中身の味が良ければグラスなんてどうでも良い。そんな風に考えていないでしょうか。たかがグラス、されどグラス。グラスが飲み物にあっていないと美味しさが半減してしまいます。見た目はもちろん、大きさや形、薄さ、容量など様々な点がドリンクの美味しさに影響します。「湯呑で飲む牛乳」は、なんとなく美味しく感じない、という経験をしたことがある方もいるんじゃないでしょうか。そんな想いをお客様にさせないためにも提供するドリンクに合わせて最適なものを選びましょう。

タンブラーグラス

細長い円筒状のグラスで、いわゆる「コップ」と呼ばれるものです。ガラス製はもちろん、陶器製やステンレス製など素材も様々な種類があります。水やソフトドリンク、お茶など様々な飲み物に利用されます。別名ハイボールグラスと呼ばれることもあり、ハイボールやジントニックなどのロングカクテルに利用されることも多いです。

【容量】
180ml〜300ml 程度
【このグラスにおすすめ!】
お水、瓶ビール、ハイボール、ジントニック、酎ハイ、ソフトドリンクなど

ジョッキ

ジョッキとはビールなどを飲むときに使われる取手付きの容器のこと。「とりあえず生!」と居酒屋で注文したときに出てくる「アレ」です。ガラス製のものが一般的ですが、陶器製のものや木製のもの、金属製のものなどもあります。飲み口が厚手なので、薄手のコップとはまた違う爽快な味わいになると言われています。

ビールだけではなく、最近ではハイボールや酎ハイ、サワーなどにもよく用いられます。大ジョッキを使った「メガ〇〇」という商品もよく見かけますね。

ちなみにこの「ジョッキ」という言葉、一見英語のようですがこちらは英語の「jug(ジャグ)」がなまってできた和製英語です。外国人のお客様には通じないかもしれないので注意してくださいね。

【容量】
350ml〜800ml 程度
(一般的に中ジョッキが350〜500ml、大ジョッキが800ml程度)
【このグラスにおすすめ!】
生ビール、サワー・酎ハイ、ハイボールなど

ショットグラス

ショットグラスは、ウイスキーやテキーラなどをストレートで飲む際に使用する小さなグラス。ワンショットの量に明確な定義はありませんがおおよそ30ml程度で、一般的に強いお酒を一気に飲む際に使われます。ガラス製の透明なものが使われることが多いです。

【容量】
30ml 程度
【このグラスにおすすめ!】
ウイスキー、テキーラ、ジンなどの強めのお酒

ロックグラス / オールドファッションドグラス

ロックグラスとは、口が広く、背が低いタンブラーのことその名の通り、ウイスキーなどをオン・ザ・ロックで飲む際に使われます。別名「オールド・ファッションド・グラス」とも呼ばれます。

【容量】
180~300ml 程度
【このグラスにおすすめ!】
焼酎、ウイスキー、梅酒などオン・ザ・ロックスタイルで楽しめるお酒

カクテルグラス

逆三角形のグラスに脚がついた形状のもので、その名の通りカクテルを提供する使用されます。その中でもショートカクテルを飲む際に多く利用されます。カクテルの色を邪魔せず、目でも楽しんでいただけるよう一般的にはガラス製の透明なものが使われます。また、ショートカクテルとは時間を変えずに飲み干すカクテルで、温度が上がると味が落ちるとされています。脚がついたカクテルグラスは、温度を上げずにショートカクテルを飲める最適なグラスなのです。

【容量】
90ml (カクテルの量は60ml)
【このグラスにおすすめ!】
ギムレット、ダイキリなどのショートカクテル

コリンズグラス / ゾンビグラス

トールグラスとも呼ばれる、背の高いグラスです。タンブラーよりも細いものとされています。「コリンズ」「ゾンビ」とはどちらもロングカクテルの名称から来ており、その名の通りロングカクテルを提供する際に使われます。

【容量】
300~360ml程度
【このグラスにおすすめ!】
ジントニックやモスコミュールなどのロングカクテル

シャンパングラス(フルート型)

細長いシャンパングラスをフルート型シャンパングラスと言います。細長い形状をしているため、底面から立ち上る泡を美しく表現することができます。また、口の部分が狭いため、香りが持続しやすく炭酸が飛びにいのも特徴です。

【容量】
180~300 ml
【このグラスにおすすめ!】
シャンパンなどのスパークリングワイン

シャンパングラス(クープ型/ソーサー型)

細長いフルート型のシャンパングラスに対して、口の部分が広く背が低いシャンパングラスをクープ型/ソーサー型と呼びます。底が浅いため、グラスを飲み干す際に頭を上げずに飲むことができます。女性の喉もとを美しく見せることができるとされていて、結婚式など女性が多い華やかな席で使われることが多いです。ちなみにシャンパンタワーで使用されるのはこのタイプです。

飲み口が広いため、炭酸が抜けやすく香りが広がりやすいグラスです。そのため、甘口のヴィンテージワインにも適しているでしょう。

【容量】
120ml程度
【このグラスにおすすめ!】
シャンパンなどのスパークリングワイン

リキュールグラス

容量の小さな脚付きのグラスで、リキュールやウォッカなどの強いお酒をストレートで飲む際に使われます。コーディアルグラスとも呼ばれます。

【容量】
35〜45ml程度
【このグラスにおすすめ!】
リキュール類、ラム、ウォッカ、ジンなど

ワイングラス

ワイングラスと一口に言っても、その種類は様々。形、大きさいろいろな種類があります。グラスの種類で香りや味わいも大きく変わってきます。品種や産地によっても最適なグラスが変わってきますので、ワインの種類が多いお店は複数種類のワイングラスを用意しておきましょう。ワイングラスについては次回詳しく掘り下げて紹介いたします。

香りの広がりが良いことと視覚的な美しさから、近年では日本酒をワイングラスで提供することも多くなっています。

【容量】
120~150ml程度
【このグラスにおすすめ!】
ワイン、日本酒など

酒器にこだわって最高のドリンクを!

今回ご紹介したように、飲食店で使われる酒器・グラスは本当にたくさんあります。今回紹介したのは代表的なものですが、マニアックなものも含めてまだまだたくさん種類があります。ぜひお店のドリンクや雰囲気に併せて最適なグラスを選択してください。見た目、味わいともに顧客満足度の向上を目指しましょう!