結婚式やお祝いのパーティーに欠かせないシャンパン。シャンパンが登場するだけで、参加者の皆さんのテンションは上がると思いますが、もっと会場を盛り上げる演出に剣(サーベル)でシャンパンを開ける「シャンパンサーベル」と呼ばれるものがあります。今回は、このシャンパンサーベルについて紹介。パーティーが多いレストランでこのサービスができるようになると、話題になるかもしれません!
シャンパンサーベルとは?
結婚式や祝いごとの式典で行われることが多いと言われる「シャンパンサーベル」。これは、シャンパンのボトル口をサーベルでコルクごと切り飛ばすパフォーマンスのこと。この抜栓方法は、フランス語で「サブラージュ」「サーベラージュ」と呼ばれています。日本ではまだなじみが薄いかもしれませんが、海外の映画やドラマでサーベルを使って華々しくボトル口をカットし、切り落とされたところからシャンパンが勢いよくあふれ出すシーンを見たことがあるのではないでしょうか。これから注目を集めそうな演出です。
シャンパンサーベルの歴史
シャンパンサーベルのはじまりに関しては諸説あります。ひとつは、中世のフランス兵士が勝利を祝ってシャンパンを飲む際に行ったというもの。もうひとつは、同じく中世の時代、フランス海軍が出航式の際に、航海の無事と勝利を祈願して景気づけに行われたというもの。勢いよくコルクが飛び、シャンパンがあふれ出る様子は、兵士たちの士気をあげるのにぴったりだったのかもしれません。また、シャンパン好きなナポレオンが自分や将校たちのために戦場に大量のシャンパンを運び入れた際、将校たちが自分たちのサーベルでいかに美しくボトル口を切り飛ばすかを競い合って楽しんだという説もあります。
ひと昔前までは、本場フランスでも結婚式などでたまに披露される程度の古い風習という扱いでしたが、シャンパンサーベルを楽しむことを中心に、シャンパーニュにまつわる食文化、伝統保護、愛好家の交流を目的とした親睦団体「サーブルドール騎士団」が誕生し、華麗かつ儀礼的な作法で行うサブラージュが再びフランスで注目されるようになりました。騎士団のサブラージュはまたたく間にヨーロッパ各地に広がり、今では世界17カ国に騎士団の支部があるそう。2003年には日本にも支部が誕生しています。
サブラージュの道具と手順
サブラージュに使うのは、刃の両側が平らな専用のサーベルがおすすめ。インターネットなどで購入することができます。なければ、厚くて丈夫なナイフやキッチンナイフなどでもOKです。
一見簡単そうに見えるサブラージュですが、慣れていない人がやるとボトルが割れたり、ガラスがはまったままのコルクが思いもかけないところへ飛んだりすることがあります。ケガや事故防止のためにも練習は必要。安価なシャンパンかスパークリングワインを何本か用意して練習してみましょう。コルクは数メートル飛ぶ場合もあるので、広い空間で行ってください。
シャンパンは製造過程でボトル内に炭酸ガスが発生し、常に約15㎏の力がかかっている状態になっています。ボトルには縦にひと筋の継ぎ目が入っていて、ここに衝撃を加えると簡単にボトル口に亀裂が入り、内側の圧力でボトル口とコルクが一緒に吹き飛ぶというのが原理。
では手順を紹介しましょう。
- 使うシャンパンをよく冷やしておきます。
- ボトルの水滴をふき取り、フォイルをはがし、コルクを留めているワイヤーを緩めます。
- ボトルにある縦の継ぎ目を探します。
- 継ぎ目を上に向け、コルクをボトルの底より高い位置(約30度の上向き)にして、しっかり持ちます。
- ボトル口の凸部に向かって、サーベルの刃を滑らせるようにスライドさせ、凸部を打ちます。力いっぱい打つ必要はありませんが、しっかりした一打で決めるとボトル口がキレイにカットされ、コルクが飛び出します。
シャンパンサーベルのおすすめシーン
シャンパンサーベルを披露する場として、一番盛り上がるのはやはり結婚式ではないでしょうか。2人の船出のパフォーマンスとして、新郎がサブラージュすると盛り上がりそう。サブラージュは女性でもできるので新婦が行うのもおもしろいかもしれません。門出を祝う、未来へ向かって勢いをつけるという意味では、起業や創業、周年記念のパーティーもおすすめ。ただし、いずれもサブラージュする人の練習が必要になります。これから日本でも広まっていく可能性が高いシャンパンサーベルのパフォーマンス、事前にしっかり技をマスターしたスタッフがサブラージュする新サービス導入を検討してみるのもいいかもしれません。
まとめ
祝いの席の乾杯で、シャンパンを提供されることが当たり前になってきました。今後、結婚式はもちろん、そのほかの宴席でも会をより盛り上げる乾杯の演出方法を求められる機会が増えてくるでしょう。スタッフが行うシャンパンサーベルがウリのひとつになる可能性もあります。この機会に練習をしてみてはどうでしょうか。