アマーロとはイタリア発祥のリキュールです。
『Amaro=苦い』という名を冠したこのお酒は、古くから薬草酒として現地で楽しまれてきました。
2000年代のカクテルブームと共にアマーロは、その苦味がベーススピリッツを引き立てることで、名脇役として注目されるようになります。今日では、ヨーロッパやアメリカを始めとした世界のカクテルシーンでは欠かせないお酒となりました。
そして”SCARLET”。日本、神奈川県の相模原市で造られているアマーロです。
今回は、そんな要注目のジャパニーズアマーロと醸造する伊勢屋酒造さんをご紹介します。
スカーレットアマーロ 伊勢屋酒造の革新
神奈川県は東京に隣接する都市圏でありながら、美しい自然と豊かな文化が共存する地域。
ジャパニーズアマーロを造る伊勢屋酒造は、神奈川県相模原市緑区にあり、甲州街道9番目の宿場町”小原”に現存する築100年の古民家を再生した醸造場です。
前述にもありますが、アマーロは名前だけでなく味わいも苦みが特徴で、有名なものですとカンパリがそのカテゴリーにあたります。
「良薬口に苦し」と言われていますが、もともとは薬として何らかの効能を求め造られたという説もある、歴史のあるお酒です。
伊勢屋酒造はこのアマーロを『スカーレット』と名付け、古典的な方法かつ、製造から瓶詰までを全て手作業で行っています。
どこか懐かしい、独自の風味と香り
スカーレットアマーロは、伊勢屋酒造が造るまったく新しいリキュール。
イタリアの伝統的なアマーロをインスパイアしながら、地元である神奈川の新鮮なハーブやスパイスをふんだんに使用しています。1800年代のレシピなどを参考に、20種類以上のボタニカルを使用。日本で生まれた草根木皮を使用しているためか、何処か日本らしさが感じられる味わいです。
長い時間をかけた抽出と日本酒の醸造技術も応用することで、自然な風味を最大限に引き出しています。このことにより、他のアマーロにはない滑らかな口当たり、独特の個性を持った苦味と甘み、そして複雑な香りが特徴のリキュールとなったのです。
様々な場面で楽しめる飲み方
スカーレットアマーロは、多彩な飲み方で楽しめます。
ストレートでそのまま味わうのはもちろん、ソーダで割って爽やかに飲むのもおすすめ。
カクテルのベースに使用することでも、より一層複雑な味わいを楽しむことができ、他のスピリッツを引き立てます。
食前・食後酒としても最適で、その豊かな風味が食事のスタートと余韻を盛り上げます。
まさに八面六臂に大活躍なリキュールなのです!!
様々なスカーレットの世界
スカーレット アペリティーヴォ
最初のリリースから一年後に誕生した定番銘柄です。オレンジピール、ジャスミン、ニガヨモギ、マジョラム、ホップなどを中心に25種類のボタニカルで構成。苦味と甘味のバランスが程よく、後からじわじわと追いかけてくるビターなテイストが癖になる一本で。汎用性も広がり、カクテルの材料としても非常に扱いやすいアマーロです。
スカーレット カスクマリッジ バッチ5
草根木皮が織りなすボタニカルレシピのベースは残しつつも、原酒のブレンド比率を微調整しました。ジャパニーウイスキーの空樽で10ヵ月間のマリッジが施され、度数は少し高めに仕上げられています。
オールドリキュールに感じられるボタニカルと甘さの一体感、樽熟成が生み出す複雑なボディがバランス良く表現されており、スモールバッチならではの細かな香味の違いはクラフトリキュールの真骨頂です。
スカーレット ヴェルデアマーロ バッチ2
新潟県の『越後薬草』のスピリッツをベースに造られました。ヨモギをはじめとする自然界の野草と、発酵の力を組み合わせた健康食品の製造過程で誕生したスピリッツに、伊勢屋酒造が独自のボタニカルレシピで仕上げたヴェルデ(緑色の)アマーロです。
スカーレット エシカルアマーロ
本来土に戻すはずだったハーブを再利用した原酒は、通常のシンプルなウォッカから製造するよりも奥行きがあり、そこから新たに造り出すアマーロは実に楽しく、全く新しい味わいとなりました。
まとめ
これからも見逃せないジャパニーズアマーロ。日本ではまだ馴染みの薄いリキュールかもしれませんが、”飲み物以上の価値”を感じていただけるお酒のはずです。ぜひ一度お試しください。