品質向上で売上向上!最高の生ビール提供方法

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コロナ禍で変わった外食への意識

コロナ禍で世の中に外出自粛ムードが漂う中、今、飲食業界は大打撃を受けています。そんな中、消費者の外食に対する意識も変化しています。グルメサイト「RETTY」の調査によれば、緊急事態宣言が「発令される前」と「解除された後」では、約42%の人が「求めるサービスの基準は高くなっていると思う」と回答しています。外食する機会が減り外食が貴重なものになったことや感染症に対する意識の高まりから、飲食店に求めるサービス品質が高まっていることが窺えます。

お客様が求める基準に合わせて、飲食店側もより高い品質のサービスを提供しなければ、これからの時代は生き残れない、と言っても過言ではありません。
ただでさえ飲食業界が苦境に立たされているなかですので、大変だと感じるかもしれません。しかし、飲食店も時代に合わせて進化していかなければなりません。品質について見直す機会だと捉え、コロナ禍、そしてコロナ収束後も安定して営業できるお店を目指しましょう。

一口に品質を高めると言っても、その方法は様々。スタッフの応対品質を上げる、感染症対策をする、メニューの質を上げる…様々な軸で考えることができます。
今回はドリンクメニューの品質向上、その中でも飲食店にとってなくてはならない存在である「生ビール」の品質向上ポイントをご紹介します。品質で選ばれるお店になることでコロナ禍を乗り切っていただくきっかけになればと思います。

生ビールの重要性

多くの人が「最初の一杯」に選ぶ生ビール。マイナビニュースの居酒屋で最初に注文するドリンク・フードメニュー ランキング(1007名にアンケートを実施)でも、2位のソフトドリンク12.9%を大きく引き離して、1位は生ビール54.4%でした。4大ビールメーカーでも同様の調査を行っていますが、やはり1位は同様に「生ビール」。生ビールは、お酒の中でダントツに求められているドリンクなのです。

そんな生ビールの品質を上げることができれば、家では飲めない特別な一杯を求めるお客様の心を掴むことができるはず。家庭では飲むことのできない本当に美味しい生ビールは、お客様が飲食店を選ぶ重要なファクターとなるのです。

本当においしい生ビールとは?

お客様が求める美味しい生ビールとはどのようなものでしょうか?

ポイントとなるのはこの4点。

  • クリーミーな泡
  • 7:3 の黄金比
  • 適切な温度
  • グラスの選択

それぞれ詳しく見ていきましょう。

クリーミーな泡

生ビールをおいしく飲むためには、クリーミーな泡が重要です。きめ細かく滑らかな泡は見た目にも美味しそうですよね。良質な泡があることで飲んだ時の口当たりが良くなります。さらにフタとしても機能し、ビールの炭酸ガスが逃げないようにしてくれる、ビールと空気とが触れ合わないようにして酸化を防いでくれるといった働きもあります。

また、飲みきった後にグラスの内側に泡の層ができるのをご存知でしょうか。あの泡の層は「エンジェルリング」と呼ばれます。良質な泡ができたときにのみ、このエンジェルリングは現れます。エンジェルリングが出ているか、飲み終わったグラスをチェックしてみてくださいね(エンジェルリングが出る条件には、グラスの洗浄もポイントです)。

7:3 の黄金比

ビール:泡の比率は7:3が理想。ビールの泡には美味しさを長持ちさせる役割があるので、しっかりと3割の泡を作りましょう。また、黄金比のビールは見た目にも美しく、しっかりと注いでくれているという印象を与え、お客様の満足度アップにも貢献します。

グラスの選択

グラスにもたくさんの種類があり、同じビールでも注ぐグラスによって味わいが変わってきます。日本で最もポピュラーなのはジョッキグラスです。居酒屋などでキンキンに冷やしたビールをゴクゴクと飲みたい時には、のど越しの良さが特徴のジョッキを使うのがおすすめです。

他にも細長いピルスナータイプやチューリップのような形のエールタイプ、汎用性のあるオールマイティーグラスなど、ビールのタイプに合わせた様々な形状のグラスがあります。ガラス製だけでなくステンレス製や陶器のグラスもあります。 グラスの大きさ、薄さ、形状、材質、など、ぜひお店に合ったものを選んでみてください。

生ビールの品質向上のためのポイント

生ビールの品質向上のために気をつけるべきポイントは、次の5つです。

  • 鮮度に気をつける
  • 適切なガス圧を調整
  • 洗浄は毎日!
  • グラスの洗浄と自然乾燥
  • 注ぎ方

順番に確認していきましょう。

鮮度に気をつける

生ビールにも賞味期限があり、新鮮であればあるほどおいしいもの。新鮮さを保つためには、できあがってからなるべく時間が経過していないことと、日光を避けることが重要です。品質の劣化を抑えるために温度管理にも気をつけてください。保管と使用の際の温度は5℃前後に保つようにしましょう。
鮮度を落とさずに提供できる目安は、開栓後3日以内。そして、必ず先に仕入れたものから順番に使うようにしてください。出数や季節を考慮し、3日以内に使いきれる樽サイズと量を仕入れるようにして、常に新鮮なものを提供できるようにしましょう。時間が経過してしまうと、風味やホップの香りが落ち、炭酸ガスも抜けてしまい劣化が進んでしまいます。

適切なガス圧を調整

ガス圧が適切でないと、うまく泡が出なかったり、逆にビールが泡だらけになってしまったりします。ビール樽の温度によって適切なガス圧は異なります。細かい設定が必要になりますが、料理の火加減と同じだと考えて調節してみてください。
ビールには炭酸ガスが溶け込んでいますが、この炭酸ガス、ビールの温度が高いと外に逃げ出そうとし、温度が低いとビールの中に溶け込もうとします。炭酸ガスが逃げ出したり溶け込んだりするのを防ぐために、ビールの温度に合わせた適正な圧力をかける必要があるのです。

適正圧力は、瞬間冷却式・氷冷式ディスペンサーの場合は樽温度の10分の1、樽冷蔵式ディスペンサーの場合は1kg/㎠となっています。

また、適正温度が見える化できる樽温度チェックシートもあります。この樽温度チェックシートを樽に貼り付けると温度が表示され、その下にある数値が適正なガス圧の数値というわけです。各ビールメーカーさんから出されていますので、お持ちでない方は確認してみてくださいね。

洗浄は毎日!

鮮度と同等に重要なのが、衛生面です。タンクやタンクにつながるホースの洗浄は毎日欠かさず行いましょう。この洗浄方法を「水通し」と言います。水通しはビールが出た日は必ず実施します。この洗浄を怠ると味が落ちてしまい、せっかくの生ビールが台無しになってしまうのでよく覚えておいてください。
また、カラン(ビールの注ぎ口。タップ、コックなどとも呼びます)やヘッド、口金(ビール樽の口。ヘッドとの接合部)といったパーツについても、週に一回は分解して洗浄しましょう。特に、口金を清潔に保つことでビールを長持ちさせることができます。

コロナ禍により衛生面に対する社会的な意識も高まっています。味だけでなく衛生的な「質」も向上させていきましょう。

グラスの洗浄と自然乾燥

しっかりとグラスの洗浄をしておくことが、クリーミーな泡を作り出すための条件です。生ビールを注ぐグラスに油分が残っていると、泡のキメが粗くなり、泡が消えやすくなります。グラスを洗ったあとは、流水ですすいでから自然乾燥させると、細かい繊維がグラスの内側に残るのを防ぐことができます。

注ぎ方

最後に注ぎ方についてご紹介します。正しい注ぎ方でビールを入れると、泡とビールのバランスもよく、泡も長持ちでクリーミーになります。
ここでは最もスタンダードな注ぎ方をご紹介します。

まず、グラスをコックの先に軽く当たるくらいにセットし、45度に傾けます。グラスの角度を保ったまま、ビールをグラスの内側を沿うように優しく注ぎます。グラスにビールが溜まってきたら、こぼれないように徐々にグラスを起こしていきます。そして、しっかりと表面張力で泡が盛り上がるくらいまで注いでください。
ビールを注ぐ祭、コックの先がビールに浸からないように注意しましょう。コックの匂いがビールに移って味が落ちてしまいます。

その他にも、「二度注ぎ」や「三度注ぎ」など、ビールを美味しく注ぐ方法はいろいろあります。しかも、注ぎ方一つで驚くほど味が異なるのです。ぜひ、自分のお店に合った方法で、あなたの店の最高の一杯に仕上げてください。

まとめ

今回の記事では、コロナ禍を生き抜くためのメニューの品質向上について、生ビールに焦点を当ててご紹介いたしました。コロナ禍で大きく社会が変化し、お客様の希望も変化する中、飲食店に求められる要素も変わりつつあります。一つ一つ見直して今後の戦略を立てるのに役立ててください。