飲食店のメニュー作りで欠かせないお酒などのドリンク。ドリンクメニューを充実させることは飲食店として成功するための大きなポイントとなってきます。
ドリンクのバリエーションを増やすことはお客様の満足度を高めるだけでなく、単価向上にも一役買うことをご存知でしょうか。今回はそんな、お酒のバリエーションについてご紹介いたします。
多彩なお酒でお客様の心を掴もう!
来店するお客様は、家庭ではできないドリンクを飲んで、非日常的な体験をしたいと考えています。その体験の提供方法のひとつが、ドリンクのバリエーションを増やすことです。
多彩なドリンクメニューを揃えることによって、選ぶ楽しみがあることや自分好みのドリンクを飲めることでお客様にとっての体験価値が高まります。「あのドリンクが飲みたい」「あの店に行くと自由に選べる」と、お客様の心を掴むことができれば、何度も足を運びたくなるお店になれますよね。
また、そうした他にはないメニューを楽しめることは、他店との差別化にもなりメリット満載です。
満足度アップと客単価アップを同時に叶える
ドリンクのバリエーションを増やすことは、お客様の満足度を向上させるだけでなく、ドリンクの客単価を上げて利益を伸ばすことにも効果があります。
経営面での基本的な考え方は、家庭では飲めないようなドリンクに高価格を設定し、少ない手間と時間で特別感を演出しながら、高い利益を確保するということです。
2020年10月のインテージ調査では、「メニューが充実している」ことでもう一杯飲みたくなると答えた人の割合は42%でした。ドリンクのバリエーションを増やすことにより、お客様の「もう一杯」を促すことができるのです。 そして、普通と違うドリンクという付加価値を付けることで価格も高めに設定できるので、少しの手間で利益率をアップさせることも可能です。
バリエーションを増やす際のポイント
ドリンクのバリエーションを増やすと言っても、むやみやたらにメニューを増やすのはおすすめしません。
意識すべきポイントは以下の2点です。
・お客様のニーズに合わせる
ターゲット層の性別や年代によってニーズは様々です。それぞれのニーズに合わせた商品ラインナップを揃えることで客単価アップにつながります。
・利益率の高いドリンクを活用する
原価を抑えることのできるドリンクを活用すれば、原価率をコントロールして利益率をアップさせることができます。 このポイントを押さえることで、バリエーションを増やす効果を最大限に高めることができます。
定番ドリンクにもバリエーションを!
どうやってバリエーションを増やしたらいいのか分からない、という人もいるかもしれませんが、
なにも今までにないドリンクを開発したり新たなジャンルを開拓したりする必要はありません。通常取り扱っている定番ドリンクにプラスアルファするだけでバリエーションは作れますし、上位ラインナップを用意することにより、選択肢を増やすだけで単価アップにも繋がるのです。
・ビール
外食でのお酒といえばビールというイメージですが、実際に1杯目にビールを頼む割合はなんと85%(2020年10月インテージ調査)にも上ります。また、KIRINによる調査では、「外食で飲みたいドリンク」No.1は生ビール。家では飲めない高品質のビールやプレミアムビールで訴求し、客単価アップとリピート率アップに繋げましょう。
昨今人気のクラフトビールは、付加価値が高く客単価が上げられるのでおすすめです。ビールがクラフトビールに変わっただけで、売り上げと粗利がアップします。お店のコンセプトやフードメニューに合わせてチョイスすることで、お客様の体験も向上させることができるでしょう。
・ハイボール
ハイボールは原価を抑えられるので飲食店の必須アイテム。定番のハイボールも、複数のバリエーションを持たせることで売上向上に繋がります。
同じハイボールでも、ウイスキーの銘柄や産地を変えることで選べる楽しさを創出したり、製法や歴史などにこだわりのあるプレミアムハイボールを加えルコとで単価をアップさせたりすることができます。特に、レギュラーの注文がプレミアムに変わるだけで単価が上がるのは、飲食店にとって魅力的です。
・サワー、チューハイ 2杯目のドリンクとして需要の高いサワー。サワーにもバリエーションを持たせて体験価値をアップしましょう。王道のレモンサワーも、カットしたレモンをグラスに入れたり、冷凍したレモンスライスを添えたりすることでワンランク上の提案をし、単価を上げることができます。
オススメのバリエーションアップ方法
ここではドリンクのバリエーションを増やすためのアイデアをご紹介します。方法は無限にありますので、こちらを参考にそれぞれのお店のコンセプトやターゲット層に合ったドリンクを発想してみてください。
- 旬のフルーツやシロップなどを活用し、季節感を演出
ベースとなるドリンクに旬のフルーツやシロップなどを加えることで、「季節限定感」を出してお客様の関心を高めます。手軽に取り組めて、視覚的な効果も高い方法です。生フルーツなどを使えば、多少強気の価格設定も可能です。
- 国産志向の高まりに合わせたラインナップ
SAPPOROによれば、地域ブランドの名前の付いたお酒に魅力を感じると答えた人は54.8%。実に半数以上のお客様が国産であることを商品選びのポイントにしているのです。お茶や果汁などの割材に国産のものを使ったり、国産ワインを扱ったりしてアピールし、付加価値を付けて高価格で提供するといいでしょう。
- 割材の「量」でバリエーションを出す
割材の種類ではなく量を調整することでバリエーションを出します。例えば、レモンサワーの場合であれば、ベースのドリンクに追加するレモン果汁の濃度を、普通、やや濃厚、濃厚といった具合に3段階程度用意して、価格に差をつけます。そして、お客様にとってお得感がありながら利益率も高い商品を前面に打ち出し、売上増を図ります。
- 同一カテゴリーでランクに差をつける
同一カテゴリーのドリンクでも、ランクの違う商品を提供して、お客様がドリンクを選ぶ楽しさを創出し、単価アップのチャンスを生み出すことができます。
例えば、ウイスキーであればポピュラーなウイスキー、やや高級なウイスキー、誰もが納得するこだわりのウイスキーなどのラインナップを用意すれば、高価格な上位ランクのオーダーが入るだけで単価を上げることができるのです。
バリエーション増で売上増!
ドリンクのバリエーションを増やすことは、お客様の満足度向上に効果があるだけでなく、顧客単価のアップにも繋がり利益率向上に寄与することがお分かりいただけたかと思います。つまり、バリエーションを増やすことは売上増加につながるのです。
ドリンクのバリエーションを増やすのは比較的簡単にできるので、まず「限定メニュー」としてテストマーケティングをしながら本メニューに組み入れてみてはいかがでしょうか。