和・洋・中などのジャンルを問わず高いニーズを誇るドリンクといえば、なんといってもビールです。8割以上の人が最初の一杯としてビールを選ぶというデータもあるほど、ドリンクの中でも特に重要な役割を担っています。
飲食店にとってビールはなくてはならない存在。今回はそんなビールの中でも、特に瓶ビールにスポットを当てて、その魅力についてお伝えします。
瓶ビールが見直されているワケ
静かな人気になっている瓶ビール。瓶から小さなコップにビールを注いで飲むスタイルに情緒が感じられると、お客様から注目されているのです。
日本では瓶ビールをお酌し合う姿が昭和的に映るかもしれませんが、海外では瓶ビールが一般的。バーやパブ、パーティーシーンなどで瓶ビールを飲んでいる様子はイメージしやすいかと思います。
最近は日本でもクラフトビールの人気が高まっており、国内外問わず多くのクラフトビールを楽しめるようになってきました。クラフトビールの多様でスタイリッシュな瓶も魅力的で、今後も瓶ビールの需要は増えていくことが予想されます。
飲食店から見た瓶ビール導入のメリット
多彩な味や見た目の楽しさなど顧客にとって魅力の多い瓶ビールですが、瓶ビールは飲食店にとっても多くのメリットがあります。
飲食店が瓶ビールを扱うメリットは以下の4点です。
1.味が安定している
2.客単価向上
3.オペレーションコスト削減
4.衛生的
それでは、これらの項目について詳しく見ていきましょう。
1.味が安定している
生ビールは、サーバーの状態やグラス・ジョッキの手入れの差によって味が大きく左右されるもの。お客様に選ばれる生ビールを提供するためには、日々のメンテナンスと丁寧な洗浄が欠かせませんが、その作業の担当スタッフによって味にばらつきが出る可能性があります。
その点、瓶ビールは工場で作られた状態のままで出荷されるので、栓を開けるまで良好な状態で保存されていれば、スタッフのスキルに関係なく、常に安定した味の商品を提供できます。これは、飲食店の経営において重要とされるQSC（Quality、Service、Cleanliness）の１つであるQuality（一定の品質を保つ）という観点でも適切と言えます。
2.客単価向上
生ビールだけでなく瓶ビールもラインナップに加えておくことによって、こだわりを持つお客様のニーズに応えることで注文を獲得できます。これは、他にはない価値を提供することにもなるので、お客様満足度向上にも繋がります。
例えば、クラフトビールは付加価値が高く客単価が上げられるのでおすすめです。通常のビールがクラフトビールに変わっただけで、売り上げと粗利がアップします。
メーカーや味わいなど、定番だからこそお客様はビールに対して多様なニーズを持っています。お客様のご希望に合わせて、取り扱うビールにもバリエーションを出すことで、より多くのご注文を得ることができるでしょう。 また、樽生ビールやほかのドリンクを飲んでいたお客様にも、ポスターや差し込みメニューで〆の1本として瓶ビールを提案すれば、客単価の向上が狙えます。
3.オペレーションコスト削減
店舗オペレーションにおいて瓶ビールが優れている点は、なんといっても提供までの時間が短く、ホールスタッフのオペレーションが低減できることです。
店舗オペレーションに特化したコンサルティング会社が、スタッフがグラスを棚から出しお客様に提供できるスタンバイ状態になるまでの時間を調査したデータがあります。その調査によると、樽生ビールの33秒、樽レモンサワーの38秒に比べ、瓶ビールは13秒とダントツで短いことが分かります。 これを時給1,000円として人件費に換算すると、樽生ビールは9.2円、樽レモンサワーは10.6円であるのに対して瓶ビールは3.6円と、コスト面で圧倒的な優位性があります。瓶ビール推しを進めることは、利益率向上に直結していると言えるでしょう。
4.衛生的
瓶ビールのメリットのひとつが衛生的であるということです。生ビールは日々のサーバーのメンテンナンスが悪いと衛生面で問題が出てきます。一方、瓶ビールならきちんと保存さえしておけば、出荷時のまま変わらぬ状態で提供することが可能です。
お酒に詳しい人の中には、信用できない店ではむしろ瓶ビールを頼むという人もいるほどです。
新型コロナウィルスによって国民全体の衛生意識が高まっている中、感染症対策は飲食店において最も重視される要素のひとつです。瓶ビールなら、単純に生ビールを人数分提供するよりも接触機会が減るので感染症対策にも効果的です。
瓶ビール導入で選ばれる店に！
マストの生ビールに加えて瓶ビールも取り扱うことで、客単価向上やオペレーションコスト削減など、経営的なメリットがあることがお分かりいただけたかと思います。
また、味へのこだわりや衛生面でお客様のニーズに応えることができますし、提供時間の短縮はお客様をお待たせしないことでもあるので、瓶ビールの提供はお客様の満足度アップにも繋がります。
選ばれる店になるためには、他店では得られない価値の創出が必須となります。 ぜひ、瓶ビールをうまく活用して選ばれる店への道を開いてください！
