簡単解説‼ 3分でわかる赤ワインと白ワイン違い

お酒の知識

「赤ワインと白ワインって何が違うの?」
見た目の違いは明らかですが、今回は「なぜここまで色や味わいに違いが生まれるの?」を少しだけ掘り下げてみます。

ブドウ品種の違い

まずは原料となるブドウ品種の違いです。

基本的に、赤ワインは皮に色素(ポリフェノール)のある黒ブドウ品種、白ワインは色素の少ない白ブドウ品種が用いられます。

大昔は黒ブドウしか存在していませんでしたが、突然変異により、白ブドウや赤紫色の品種(グリ系の白ブドウ)が誕生したのです。DNAの中には色素を生成するスイッチがあります。通常は、それがオンになっているのですが、ある日突然オフになっているものが出てきました。それが白ブドウ品種です。ホワイトタイガーや白い蛇のような色素を持たない動物も、同様の突然変異が起こっています。

造り方の違い

『造り方』の違いもあります。

果実に圧力をかけて搾る工程を『圧搾』と言いますが、その工程が『発酵する前』か『発酵した後』かという点。そこがポイントになります!!

ワインの造り方をものすごく簡単にまとめると、『ブドウの果汁を発酵させる』ということになります。同じ醸造酒でも日本酒やビールと比べると非常にシンプル。シンプルだからこそ、一つ一つの工程が仕上がりに大きな影響を与えています。

収穫、選果されたブドウの果実を潰す。ここまでは赤ワインも白ワインも同じ工程です。

赤ワインはブドウの果汁、果皮、果肉、種子の混合物である果醪(かもろみ)を漬け込みながら発酵させ、その後に圧搾します。また、果汁には自重によって抽出される一番搾りの果汁(フリーランジュース)と、搾った圧力によって出る果汁(プレスワイン)があります。繊細な味わいのフリーランジュースと、色が濃く雑味の多いプレスワインは、仕上げるワインのコンセプトによって使い分けられています。白ワインの場合は発酵の前に圧搾が行われます。果皮や果肉、種子は取り除かれ、果汁だけを発酵させるのです。

マロラクティック発酵の有無

白ワインの場合、造りたいワインのタイプによって『マロラクティック発酵』をするかしないかを選択します。マロラクティック発酵(以下MLF)とは、乳酸菌の力でリンゴ酸を乳酸に変える工程です。MLFを行う目的は、大きく3つの理由があります。

①ワインの酸味をまろやかにする。
ワインの中に含まれるリンゴ酸(シャープな酸味)が、乳酸(やわらかい酸味)に変化するので、角が取れた、まろやかな味わいのワインになります。
悪天候の年や、寒い土地で育ったブドウにはリンゴ酸が多く含まれます。もともとは、そのようなブドウから造られるワインのバランスを整えるために、MLFが行われていました。

②ワインの複雑性を増やし、芳醇な香味を生みだす。
MLFの過程では、化学変化により様々な副産物が生み出されます。その結果、味わいが複雑になり、芳醇な香りが形成されます。

③ワインが微生物学的に安定する。
微生物が食べやすい性質のリンゴ酸が、食べにくい乳酸に変わるので、ワインをより安定した状態で熟成することができます。さらに、乳酸菌がワイン中に含まれる栄養素もMLFに使うので、他の雑菌が増えにくくなります。

MLFをすることで、白ワインはまろやかな味わいになるため、フレッシュ感を際立たせたい白ワインには行われません。逆に、複雑味や長期熟成が求められる赤ワインでは、ほとんど場合でMLFが行われています。

ブドウ品種から考えてみると、シャルドネはMLFをすることが多い品種です。豊かな酸味が特徴のリースリングや、ハーブのような涼しげな香りが魅力のソーヴィニヨン・ブランではMLFを行わない生産者もいます。

「酸味のある白ワインはちょっと苦手かなぁ」という方は、MLFを行っているワイン選んでみてるのもオススメです。

まとめ

非常に簡単ではありますが、赤ワインと白ワインの違いはブドウ品種と醸造方法から生まれます。そこに生産者の考え方やスタイル、その年の気候や収穫状況などの要素が加わり、同じブドウ品種、同じ醸造工程でも、出来上がるワインに個性が生まれるのです。

奥が深すぎて全く先が見えません!だからこそワインに夢中になってしまうんですけどね。