みなさん、アイリッシュウイスキーの『バスカー』はご存じですか?
お店やバーで勧められて飲んだ方や、SNSで見かけたという方も多いはずです。
過去に閉鎖が続いていたアイリッシュウイスキーの蒸留所が復活する中、日本では2021年にバスカーが発売され、ウイスキーファンの間でたちまちに話題となりました。
実際に飲んだことがある方も、飲んでみて好きになった方も多いはず。
しかし、いざ調べてみるとなると…
今回は、そんな彗星のごとく現れたアイリッシュウイスキー、バスカーについてお話しします。
そもそもアイリッシュウイスキーって?
ウイスキー初心者でも、親しみやすいと言われているアイリッシュウイスキー。
その特徴は、”軽やかなボディで雑味が少なく、すっきりとした味わい”。そしてシトラスなどの柑橘類やトロピカルフルーツ、キャラメルなどを連想させる、”華やかなで甘やかな香り”。
スモーキーと表現されることが多いスコッチウイスキーとは明らかに違います。そんなアイリッシュウイスキーの特徴は製造方法に由来するのです。
まずは、アイリッシュウイスキーの定義は、次のとおり。
1.穀物を原料とする
2.アイルランドで醸造(糖化/発酵)、蒸留、熟成をする
3.容量700リットル以下の木製樽で3年以上熟成する
4.アルコール度数94.8度以下で蒸留
5.瓶詰時のアルコール度数は40度以上
原料は穀物のみ。スコッチやジャパニーズウイスキーと同じですが、基本的にピート(泥炭)は使っていません。そのため、ピートからのスモーキーな香りというよりも、穀物がもつ芳醇な香りがダイレクトに伝わるのです。
そして一番の特徴といえば”ポットスチルウイスキー”の存在です。麦芽の代わりに、未発芽の大麦や小麦・ライ麦・オート麦を混ぜて、単式蒸留器(ポットスチル)で仕込まれます。
しかし、100%大麦麦芽のモルトウイスキーに比べ、仕込みが難しく雑味が出やすい。そのため、蒸留を2~3回行う技術が発展していきました。丁寧に蒸留を重ねることで、軽くクリーン、なめらかな風味、雑味のないクリアな味わいが生まれるのです。
また、アイリッシュウイスキーには”樽の材質や穀物の種類に決まりがない”ということも重要。例えばスコッチの樽はオーク材でなければなりませんが、アイリッシュはそれ以外の木材もOK! これによって、革新的な方法に挑戦することができます!!
新しいアイリッシュ ~BUSKER~
『BUSKER=バスカー』とは、2020年12月にアイルランドで誕生したアイリッシュウイスキーの銘柄です。
『世界の人々にとって新しいアイリッシュウイスキー』と表現されています。
そんなバスカーを製造するのは、アイルランドで最も新しい蒸留所の一つである、『ロイヤルオーク蒸留所』です。アイルランドの南東部、バロー川の近くで設立しました。
2016年にリニューアルしたロイヤルオーク蒸留所は、シングルモルト・シングルポットスチル・シングルグレーンという、3種類のウイスキーが生産できるアイルランド唯一の蒸留所。バーボン・シェリー・マルサラワインの樽を使用し、これらの原酒の魅力を最大限に引き出すマスターブレンダーは、エドリントン社の元マスターブレンダーでウイスキー殿堂入りを果たした、名手ジョン・ラムゼイ氏です。
2020年の9月にバスカーをリリース。スタンダード銘柄である『バスカー アイリッシュウイスキー』が、翌年2021年に行われた“Wine Enthusiast”誌のアワードでアイリッシュブレンド部門最高賞を受賞します。数あるアイリッシュウイスキーの中でも、リリースから1年という速さで選ばれたため、世界中のウイスキー愛好家から注目を浴びました。この短い期間の中で、他にも色々な賞を受賞し、たしかな実績と人気を獲得したのです。
バスカーの種類
バスカー アイリッシュウイスキー
シングルモルトとシングルポットスチルの構成比が一般的なアイリッシュに比べて高く、マルサラワイン樽も老舗トップブランドの”フローリオ”の樽のみを使用。
歴史はまだ短いの新しいブランドですが、数々の賞を受賞しております。一般的なアイリッシュでは感じられない上質な味わいがお楽しみいただける、要注目のアイリッシュウイスキーです。
バスカー シングルモルト アイリッシュウイスキー
バスカーの構成原酒の1つに着目したシングルモルトです。アイリッシュウイスキーの伝統的な方法であるポットスチルによる3回蒸溜、バーボン樽原酒とシェリー樽原酒を使用し、味わいが最も引き立つ44.3度でボトリングしました。
深みのあるゴールドの色調に、フルーティで華やかな印象。リンゴの蜜、エルダーフラワー、バナナ、ビスケットの奥からスパイスの香りが広がります。余韻には、柔らかく優しい甘味が続きます。
バスカー スモールバッチ シングルポットスチル
蒸溜所初のスモールバッチボトリングです。
モルト(大麦麦芽)と未発芽の大麦を原料に使用し、ポットスチルで3回蒸溜したポットスチルウイスキー。ファーストフィルのバーボンバレルでじっくり熟成させた後に、ヨーロピアンオークのオロロソシェリー樽で追熟をする『ダブルエイジド』で熟成を行い、スモールバッチでボトリングしました。
アルコール度数もこのウイスキーの香味を最高に引き出せる、通常より高い46.3%に調整しています。ハチミツ、チェリー、レザーの印象と柔らかなスパイスが余韻を残し、イチジクやプルーン、プラムといったフルーツをたっぷり感じる味わいが広がります。
この他にも色々な限定銘柄がリリースされているので、弊社オンラインストアやSNSをチェックしていただけると嬉しいです。
バスカーのおすすめの飲み方
ソーダで割ることで、トロピカルフルーツの印象が引き立つハイボールもおすすめですが、バスカーの公式サイトでは、コーラやジンジャエール、ピンクグレープフルーツジュースと一緒に合わせたカクテルも紹介されています。
バスカーの持つ『軽やかさ・甘さ・フルーティさ』が、よりしっかりと感じられるはずです。
もちろんストレートやロックでも凄く美味しいです(笑)
まとめ
世界的にも注目されているバスカー。まだ飲んだことがない方はぜひ一度飲んでみてください。ソーダやジュースとも好相性なので、普段ウイスキーを飲み慣れていない方にもおすすめです。
ボトルもスタイリッシュなので、自宅で楽しむのはもちろん、ギフトにも最適。ぜひこの機会に、”みなさまにとって新しいアイリッシュウイスキー”を体験してみてください。